セカンドオピニオン
近藤先生に30分間の診察、延長なし、時間丁度にチャイムを鳴らす。
MRIの写真と問診、触診。
左脇のしこりを指摘される。
「病院で見つけられなくてよかったな。」
余命を宣告された人はその通りに亡くなる、2年後その意味がやっと分かった。
ワキへ転移してれば全身へ転移している、手術はどちらでもよい、皮膚をやぶる前には手術をしたほうがよい、そんなニュアンスの事を言われたと思う。
近藤先生に都合のよい事を言ってほしかったが、新たなしこり発見で悲しみに暮れる。
近藤先生に紹介されたドクターに相談に行く。
手術するならば、という前置きがあったが藁にもすがる思いで診察へ。
「がんは手術が必要」とのこと。
手術する気持ちになれば、再度診察に来るように言われる。
スタッフの方もドクターも寄り添ってくれ、最初にこの病院に出会っていたら迷うことなく手術していただろう。
今は、ワキへの転移が気になる。
乳がんの手術しても他に転移しているであろうガンを心配しながら生きるならば、手術は一時しのぎにすぎない。
手術はしない、この決定はゆるぎないものになっていた。
しかし、刻々と進行しているであろうガンへの恐怖と、何のあてもない治療方針にただただ途方に暮れるだけだった。